C E N T R A L
 兵庫県体育協会 平成13年加盟
 
兵庫のエース
   

 日本のエース 吉田 達也選手
 早過ぎる死に塩田宗廣が思うこと。

10月6日午後11時1分、新田さんからメールが入った。なんかおもろい事でもあったんかなと思って、メールを開くと、こんな文字が入っていた。「訃報 吉田達也死す」
「えっ」て大声で叫んで、もう一度見直しても同じ文字。全日本パワーの時の僕しゃべってるし、そのとき肌つやも本当によかった、めちゃ若いしどっからその情報が入ったのと思い、新田さんに確かめてみる。
本当との事。話によると車で止まっていて死んでいたとのこと。事故?何があったのか全然意味がわからず、
詳細の情報を、B&Fの塚本会長、大阪協会の山本、廣岡両副理事長に聞く。
死因は脳幹出血、死亡時刻は午後九時前後だという。それにもう葬儀の日程が決まっていて、10月7日の午後7時から通夜、次の日の11時から告別式という。
ちょっと待て、まだ死んだとしても24時間もたっていなくて、通夜はみんなと別れるにしてもそれは急でないか。
塚本会長に、話を聞くと2日前にも練習に来ていたという。自分の練習と飴谷さんの補助に。
その練習風景が、B&Fのホームページにあった。その写真がこれ。
とても元気そうである。そんなすぐに死んでしまう事があるのか。体調の変異はどうだったかと聞くと、
高血圧ではあったという。血液検査では、あまりよくなかったらしい。だけどとにかくよく食べるという。
最近ではプロレスの橋本信也選手が同じ死因である。かなりダブって見えてしまった。
まだ半信半疑で葬儀会場のある池田市に向かった。
ここで僕が知っている吉田達也選手を思い出してみる。僕が高校生のとき、ウエイトトレーニングが好きになりだして、ボディビルデングの雑誌を買う。そして全日本特集のときに吉田達也の名前があった。大阪での人で全日本強い人がいるんやと思いながらペラペラとページをめくっていた。写真もあった。
そして僕が競技復帰しだして、B&Fに日焼けに行ったときに表彰状がたくさん飾っている中で、吉田さんの賞状がある。それがこれである。

左は第28回大会の全日本優勝の賞状。110kg級優勝で812.5kgと記されてある。すばらしい記録。
そしてその時の優勝を飾るデットの写真。吉田さん強いんだなあと感心してみていた。
吉田達也選手はジュニアのときから非常に強く、全日本優勝4回、アジアパワー準優勝、
世界パワー6位入賞の輝かしい戦績を持つ。それもその優勝は4階級制覇しての数字という。
その時のライバルが、西村政志。この選手も大阪。この2人が近年の大阪パワー界を引っ張ってきた。
周りの人からの話を聞いてもとてもに仲がよかった言う。
その西村政志が、葬儀会場に来た。棺の中の吉田さんを見るなりずっと泣いている。僕もその場にいたがつらくてつらくて。ご遺族の何十倍もつらそう表情だった。次の日の告別式のときもまったく同じ。
志同じのよき親友、よきライバルである。まさか35歳で死ぬなんて誰が思うであろうか。
あと通夜、告別式にはB&Fの塚本会長を始めそのジム仲間が本当によく集まっていた。
その他には、大阪パワー協会門理事長、兵庫協会通夜は僕、内藤財務委員長、告別式には中田理事長、日本協会を代表して仲理事、全日本王者の新田、松原、西村、平櫛の4選手、ジャパンオープン優勝の井上浩、アジアパワー代表の上田選手、バリバリジムの酒井選手などそうそうたるメンバーが参列していた。
葬儀出席している人を見渡すと、パワーもしくはボディビル関連の人ばかりである。それだけ吉田達也は、
パワーリフティングを心のそこから愛していたのだ。
パワーのために、パワーを極めるために、自衛隊から古川電工に転職して環境をパワー1本にし、鳥取に漁師になるために転出しても、パワーリフティングと大阪の思いが日に日に大きくなり、大阪にもう一度帰ってきた。
それに大会からはしばらく遠ざかっていたが、頻度はまだ軽いが欠かさず練習していたのは、いずれ自分がくるべき試合に出るためだ。それなのに・・・。
そして葬儀が終わって僕が思ったこと。それはあまりにもあの日本のエースを張った吉田達也を、全日本を4回獲った吉田達也を、みんなから愛された吉田達也を別れる葬儀としてはあまりにも寂しすぎるのではないかと。
ご遺族の方にはとても失礼で、無礼極まりないのは百も承知であるが、吉田達也を送るにはあまりにも・・。
僕は吉田達也を送るにはパワーリフティングしかないと思う。吉田達也はお経なんか聞きたくない、
「バーズローデット」この声のほうが百倍聞きたいはずだ。聞かせる。吉田達也に必ず聞かせる。
ちょうどいいときに近畿パワーがある。11月6日神戸中央体育館で、みんなのいる前で引退試合を飾ってくれ。
そしてみんなで見届けよう。吉田達也の最後のバーズローデットを・・・。

吉田 達也さん  35歳
大阪府パワーリフティング協会 理事

全日本パワーリフティング選手権 4回優勝
アジアパワーリフティング選手権 準優勝
世界パワーリフティング選手権 6位入賞

など輝かしい戦跡を残す、まさしく近年のパワー界の至宝。
2000年秋田世界選手権を最後に、試合からは遠ざかるが、
大阪パワーリフティング協会理事に就任し、後進の育成に尽力する。
ライバルは同じ大阪の西村政志。